数ある身体の不調のなかでも、特に多い症状のひとつが腰痛と言われています。
腰痛を引き起こす原因はさまざまですが、もしかしたら肥満が関係しているかもしれません。
今回は、肥満と腰痛の関係や、腰痛を和らげるポイントをご紹介します。腰の痛みにお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
「太ったら腰痛がひどくなってしまった」という声を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
じつは、腰痛と肥満に関しては多くの研究がおこなわれているものの、明確な因果関係については明らかになっていないのが現状です。
しかし、肥満が腰痛を引き起こす要因のひとつだと主張する声があるのも事実。
まずは、肥満が腰痛に関係するとされる理由について見ていきましょう。
漢字からも分かるように、腰は身体を支える要の役割を果たします。
腰が正常に機能することで、「ひねる」「反る」「ねじる」といった動作や、姿勢を保つことができるのです。激しい動作や無理な姿勢をとるときはもちろん、立ったり座ったりといった姿勢を維持するのにも腰は使われています。
そのため、身体のなかでも腰は負担が大きい部位であり、とくに肥満体型の方は体重が重いぶん腰への負担が大きくなりがちだと言えます。
肥満体型の方は、「反り腰」になりやすいという特徴があります。
反り腰とは、腰椎の前弯(腰の反り)が強くなっている状態を指します。肥満体型でお腹がぽっこりと出ていると、お腹の重みを支えるために腰を逸らせた姿勢になる場合が多く、結果的に反り腰になりやすいのです。
反り腰は、腰や背中の筋肉が常に緊張した状態になり、腰への負担が大きくなってしまいます。緊張状態が続くことで筋肉が硬くなり、血流が低下し、腰痛につながると言われています。
肥満がひとつの要因となって腰痛を引き起こしているとするならば、どういった対策があるのでしょうか。
次は、肥満による腰痛を和らげるためのポイントをご紹介します。
腰痛を和らげ改善するためには、普段から良い姿勢を心掛けることが大切。姿勢が悪いと、腰への負担が大きくなってしまいます。
理想の立ち姿勢は、あごを引き、背筋がスッと伸びている状態。反ったり前かがみになったりしないよう、腹筋を引き締める意識を持つのがポイントです。
また、座っているときも腰への負担は大きいため、座り姿勢も意識することが大切です。立ち姿勢と同様、あごを引いて背筋を伸ばし、腰と足の付け根が直角になるように腰掛けましょう。
肥満で腰への負担が大きくなっている場合、体重を減らして負荷を小さくすることが有効だと考えられます。
食習慣の乱れや、運動不足を自覚している場合には、ダイエットに取り組んでみるとよいでしょう。
食習慣の改善と適度な運動を行い「消費カロリー>摂取カロリー」を継続することで、体重は徐々に減っていきます。また、運動で腹筋・背筋など腰回りの筋肉が付くことで、姿勢をキープしやすくなります。
ただし、激しい運動は腰痛を悪化させる可能性があるため、無理のない範囲で行うことが大切です。
腰痛の予防・緩和のために、腰サポーターを使用してみるのも一策です。
腰サポーターを使用することで腰椎や骨盤の位置が安定し、正しい姿勢をキープしやすくなります。また、後屈(後ろにのけ反る動作)を抑制できるため、腰への負担を軽減する効果も期待できます。
今回は、肥満と腰痛の関係や、腰痛を改善するためのアドバイスをご紹介しました。
上述の通り、さまざまな要因が重なって腰痛を引き起こしているケースもあります。痛みひどい場合や長引く場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。
今回ご紹介した情報も参考に、腰痛改善のための取り組みや、医療機関の受診を検討してみてはいかがでしょうか。